あちらのお客様から

トレンディドラマでは良くあったシーン。
バーでひとり女が飲んでいると、頼んでいないカクテルが目の前のグラスに注がれた。
「マスター、私じゃないわよ。」というと、「あちらのお客様からです。」とだけマスターは告げた。

そんなベタすぎるバーカウンターでの出会いって、今やドラマで見ても寒気がしそうである。
しかし、まさにトレンディ時代を生きた先輩がこの演出がきっかけで今の奥さんと結婚したそうだ。
結婚式にも参列したが、仕事関係の先輩なので、どうやって奥さんと出会ったかはよく聞いていなかった。

二次会に行ったときに、「新郎新婦が出会ったバーのマスター」なる人からシャンパンが届けられていて、二人の馴れ初めが紹介された。
まさか「あちらのお客様から。」を本気で実践している人がいるわけないと思っている平成時代なので、一同は大爆笑。

そう言われてみれば、そんなキザな演出が好きそうな人である。
寿司を「シースー」、ハワイを「ワイハー」とでも言い出しそうな人なので、二人の馴れ初めを聞いて、しっくりきた。
でも奥さんも、実はその場では鳥肌が立ちまくっていたそうだ、悪い意味の鳥肌。

「うっそー、こんなタイプの人まだいたの?」と思ったけども、いつの間にかカウンターの自分の席の隣に移動してきて、マスターと三人で会話することになったようだ。
二人が付き合っているときは、たびたびそのようなキザ演出があるたびに苦笑いしていたそうだ。

でもプロポーズもまた王道で、夜景をみながら指輪を差し出してきて、なんだか愛おしく思えてその場でOKしたんだとか。
色んな出会いがあるなぁ。

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